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在学生・卒業生の声

在学生の声

社会基盤デザインプログラム
(博士前期課程)
浅野 太我さん

 都市システム工学科には、社会基盤デザインプログラム、建築デザインプログラムという2つのプログラムがありますが、私は、社会基盤デザインプログラムについて説明します。社会基盤デザインプログラムでは「土木工学」を広く学びます。土木というと、何を思い浮かべますか?身近なところでは「土木工事」などの言葉を聞いたことがあるかもしれません。道路のアスファルトの舗装工事もその一つです。道路、橋梁、ダム、堤防、上下水道、交通などの社会基盤(インフラ)のデザインやまちづくりを通して、社会問題を解決するのが土木工学で、それに関する学問を修めるのが社会基盤デザインプログラムです。
 土木工学を学ぶ者が考えるべき対象は、世の中の社会問題です。人口減少や少子高齢化など、社会的に広く問題となっている課題を踏まえて対応するのが土木工学です。過去にも疫病が流行れば下水道の普及、戦後復興で電気が足りなければ発電所・配電網の整備、大地震に対しては耐震設計を行ってきました。社会問題を解決するには、あらゆる学問の知見が必要です。数学や物理学を通して自然現象を解釈し、土や水、コンクリートのような各専門分野を学ぶかと思えば、経済学や社会学的などの俯瞰した目線も求められます。社会基盤デザインプログラムでは、そういった学問のうち理工系科目を中心に学ぶことが出来ます。土を扱う「地盤」、構造物の変化を扱う「構造」、水を扱う「水理」、地球をみる「測量」、環境問題を扱う「環境」、都市を計画する「計画」…。土木工学は非常に裾野の広い分野です。社会基盤デザインプログラムで4年間学んで、身をもって知りました。座学で計算をし、街に出てフィールドワークを行い、土や水で実験をするなどして、少しずつそれらを学びます。オープンキャンパスに参加してもらえれば、先生方や在学生から詳しい話を聞くことができます。
 高校生までは”生徒”といわれますが、大学からは”学生”といわれます。両者の違いは自立的・自律的かどうかであろうと社会基盤デザインプログラムで過ごした4年間で感じました。ただ教えられるのを待つのではなく、自ら様々な体験をしにいきましょう。つまり、自分次第でできることはいくらでも広がります。社会基盤デザインプログラムは、いつでも自分の希望を受け入れてくれます。そして、社会問題を解決するためにはどうすれば良いか?土木技術者に求められることは何か?を本質から学ぶことができます。

在学生の声

建築デザインプログラム
(博士前期課程)
高田 樹さん

 私は「まちづくり」の勉強ができる大学に入りたいと考え、建築と社会基盤の両方を学ぶことができる茨城大学工学部都市システム工学科に入学することを決めました。2年次に教育プログラムを選択する際に、私は建築デザインプログラムを選択したので、そこから本格的に建築の勉強が始まりました。建築デザインプログラムでは、建築設計製図という授業があり、実際に建築の設計をする勉強が始まります。建築設計製図では課題に対して自分でいちから考えて、先生方と相談しながら設計を進めていきます。授業の最後にはプレゼンボードと建築模型を作成し、プレゼンテーションをすることで、自分の作品や考えを発表します。設計した作品が学内で優秀作品として選ばれた場合、学外の作品展に出展することもあり、実際に作品展で賞を受賞した人も多くいます。作品展に出展することが自分にとってのモチベーションにもなっていました。建築設計以外にも、建築構造や建築設備などの授業があり、建築に関するより専門的な知識を幅広く身に着けることができます。これらの知識は設計にも活かすことができるため、勉強を重ねることでより良い建築が設計できるようになっていきました。
 2、3年生で勉強したことを活かして、4年生では卒業制作と卒業研究に取り組むことになります。自分でテーマを決めて、やりたいことに取り組むことができるため、卒業制作では建築によって地域の特性を生かす施設を設計し、卒業研究論文では図書館と地域に関する研究をしました。「まちづくり」に興味があった私にとっては、この1年間は自分のやりたいことに熱中できたため、充実した日々を過ごせました。
 建築の勉強をしながらも社会基盤の勉強もできることが、都市システム工学科の良い所です。幅広い知識を持った建築家になりたいと考えている人にとって、都市システム工学科は適していると思います。

卒業生の声

鹿島建設㈱
磯 秀幸さん

 大きな構造物をつくりたい。私はそんな思いから、鹿島建設㈱に就職し、現在、現場監督として施工管理の業務を行っています。 皆さん、ゼネコンってご存じでしょうか?特に大きな構造物をつくるには、発注者やコンサル、専門業者、作業員等、多くの関係者と協力しながら工事進める必要があります。ゼネコンは、工事の元請けとして複雑・多工種な土木・建築工事のプロジェクトを統括して、工事全体をマネジメントする役割を担っています。 ゼネコンの事業領域は、主に設計、施工管理、研究開発が中心です。施工管理では、プロジェクトにおける「品質」「価格」「工期」「安全」「環境」を管理して、それぞれの専門業者と協力・調整し、工事を円滑に進めるのが仕事です。若手でも、資機材調達、測量、工程管理、出来形検査、安全指示、原価管理等々、現場監督として様々な業務を行います。技術力を要として、構造物をつくる方法、プロセスを考え、みんなで協力して実際にカタチにしていくことが、ゼネコンの一つの魅力です。
 私は、大学生活の中でも研究室での経験が今の自分の大きな糧になっていると思います。学部4年生、大学院での研究室では、日々、研究に励み、実験により仮設の検証をじっくりと考えて取り組んだこと、論文を執筆して多くの学会発表を経験したことで、学部で学んだ専門知識をより深めるとともに、物事の本質を考える力が少しずつ身についたと実感しています。また、企業の方々との共同研究を通して、社会とのつながりを持ち、結果として社会人になるための準備ができてきたと感じています。自分がやりたいことをやるのも大事ですが、何事にも熱心に取り組める環境が大切です。茨城大学は、自分次第で大いに遊んで、大いに学ぶことができる、そんな充実した毎日を送れる大学です。

卒業生の声

首都高速道路㈱
相馬 嵐史さん

 更新・建設局の品川工事事務所で、東品川桟橋・鮫洲埋立部の大規模更新工事に従事しています。本区間は延長約1.9kmで、1964年の東京オリンピック直前に開通しました。開通以来50年以上に渡る過酷な使用や、海水による激しい腐食環境から重大な損傷が多数発生していたため、道路構造物の長期的な安全性を確保するために、耐久性と維持管理性に優れた構造に造り替えています。工事による長期通行止めにより、首都圏の生活、物流、経済に影響を与えないよう、迂回路を設置し1日約7万台の交通を確保しながら2026年度の完成を目指しています。
 私は主に、施工管理、工程管理、設計変更業務を担当しています。例えば、施工管理では受注者から作業計画書を受領し、安全性、施工性、経済性の観点から内容を確認して必要に応じて修正指示を出しています。現場は常に危険と隣り合わせなので、この確認作業がとても大切です。作業計画書の段階で危険なポイントを見極め、必要な安全対策を講じることで、現場での事故防止に努めています。また、定期的に現場へ行き、施工状況を確認します。しかし、スムーズに進むことばかりではなく、予想外の事象が度々発生します。例えば、「当初の図面と現地状況が異なる」や「関係機関協議の結果による変更」など急な変更を余儀なくされます。その際は、受注者と話し合いながら解決策を模索していきますが、工程遅延や施工費の増額に関わるため、可能な限り速やかで経済性を考慮した対応が求められます。難しい対応もありますが、自身が携わる社会的責任の大きさを感じ、日々学びながら取り組んでいます。
 今後も、首都高速道路を利用するお客様が安全に走行できるよう、道路の維持管理に努めてまいります。また、様々な業務を通して、首都圏の経済や物流、そして人々の生活を支えていきたいです。

 

卒業生の声

日本工営㈱
松原 弘和さん

 建設コンサルタントとは、簡単に言えば社会インフラに関する困りごとを解決する仕事です。国や都道府県等の行政機関の相談事(大雨が降ったときに洪水が発生しないようにするにはどうすればよいか、老朽化した下水道施設をどこから修理すればよいか等)を受け、その地域ごとの課題を掴み、実現に向けての最適解を導き出し、その地域の発展に貢献するのが建設コンサルタントの役割です。
 今回は私が主に携わっている、下水道を例に挙げて仕事を紹介します。下水管は道路の下に埋まっていて普段目にすることはほとんどありませんが、都市部を中心に老朽化が進んでいます。下水管が古くなると管路にひびが入ったり穴があいたりして、下水道が使えなくなったり道路が陥没する事故が起きたりします。これらを未然に防ぐためには下水管を直す必要がありますが、工事にはお金がかかりますし、環境や交通に影響(片側交互通行になる等)を与えます。そこでコンサルタントの仕事として、それぞれの地域の下水管を直すのに何年程度必要か、どの程度のお金が必要か、地域に与える影響はどの程度か、といった計画の策定から、どの下水管から、どのような方法で直すかといった具体的な方法(設計)をまで検討します。
 ダムや河川、農業用水、環境、防災等、他のインフラでも計画や調査、設計といった仕事を行っています。これらコンサルタントの仕事は、洪水の防御、水利用の効率化や水環境の改善、そして生活に欠かせない農業農村整備や上下水道施設の基盤となっています。

卒業生の声

国際航業㈱
田口 智大さん

 私は2020年度に博士前期課程を修了しました。都市システム工学科・都市システム工学専攻には様々な分野(土木・建築・環境)があります。これらは実際に社会の中で密接に関係しており、これらすべての分野のベースとなる知識を学ぶことができます。都市システム工学専攻の一番の強みは、自分の研究活動に専念できる環境が整っていることだと思います。普段の生活から各先生方との距離が近く、自分から積極的に研究活動に取り組めば、先生方とたくさん議論を交わすことができます。私も学生時代はたくさん指導教員の先生を捕まえて議論をさせていただきました。時には夜も(笑)。また、多くの先生方と議論をしているため、研究進捗の報告や報告事項の資料作成など社会人として必要なスキルを自然と学んでいたと今となっては思います。
 都市システム工学専攻の講義や研究には魅力的なものがたくさんあります。そして、一生懸命研究に取り組めば、必ずそれに応えてくれる場所だと思います。私も自分が何に興味があるのか、何をやりたいのかというのは分かっていませんでしたが、研究活動を通じて自分のやりたいことを見つけることができ、現在に至っています。皆さんもまずは研究活動に一生懸命取り組んでみることだと思います。都市システム工学科・都市システム工学専攻でぜひ素敵な学生生活を!

卒業生の声

いであ㈱
増子 沙也香さん

 自然豊かな場所で育った私は、高校生の頃から自然環境を守る仕事に興味がありました。大学では、建築・土木・環境について幅広く学び、研究室では、湖沼の水質が生物(ヤマトシジミ)に与える影響について研究することで、自然環境やそこに棲む生物と人とが共生することの大切さを学びました。大学で得た土木と環境の知識を生物の生息環境を保全する仕事に活かしたく、社会基盤の形成と環境保全の総合コンサルタント会社である、いであ株式会社に入社しました。
 入社してからは、水辺の生物の調査や保全に係る業務を行う部署で、計画立案から現地調査、解析、とりまとめ、発注者(お客様)に対する報告まで幅広く担当しています。実際に河川等で調査することもあり、発注者と現場を見ながら話し合うこともあります。そうした会話の中から、発注者の要望や困っていることを汲み取り、より満足いただけるような提案に繋げられたときはやりがいを感じます。また、生物の調査だけではなく、漁業者や地域住民に対して環境等に関するヒアリング調査を行うこともあります。生物や水質等のデータだけではなく、“利用者の声”を聞き、自然環境と人との繋がりを知ることができるのも面白いです。
 入社して初めて担当した業務は、漁業者からの要望を受け、ウナギ等の魚が通れない水門に簡易設置型の魚道(魚が通れる道)を設置し、効果を検証する業務でした。魚道を最適な条件で設置するための計画立案や、実験による検証結果を踏まえ、現場に適した条件で魚道を設置することに成功し、ウナギ等の魚の遡上が確認できた時は嬉しかったです。この他、川や海の環境と生物の生息状況の関係の分析や、川の掘削工事にあたって生物の生息場所に配慮した河道設計、小学生等に対する環境教育に関する業務なども行っています。これからも環境や生物保全に配慮しながら地域住民にも喜んでもらえるような仕事で社会に貢献していきたいと思います。

卒業生の声

㈱熊谷組
菅野 友弥さん

 建築設計の仕事にも、設計事務所やハウスメーカー等様々ありますが、ゼネコン設計の特徴は、扱う物件の規模がとても大きいことです。熊谷組には3つの意匠設計部門があり、
① 物流倉庫やオフィスビル
② 高層マンション
③ 病院、商業施設
をそれぞれ専門として取り扱っています。建物の構造を考える人、設備を計画する人、実際に建物を建てる人など、建物が大きくなればなるほど、そこにはたくさんの人々が関わってくるようになり、各種調整を行う意匠設計担当者の負担は膨大なものとなります。社内にそれぞれ専門部署を持ち、気軽に相談や打合せを行えるのが、設計事務所にはないゼネコン設計の強みです。

 入社4年目となる現在は物流倉庫の設計をしています。顧客である不動産デベロッパーの要求仕様書に基づき、敷地に関係する法規制の調査、構造・設備部門との調整、建物プランの提案作成、週1回の定例会議での報告・提案等の業務を行っています。 昨年からの新型コロナウイルスの影響で、新築案件がいくつか中止になることもありましたが、一方通販の需要が増えたことで物流分野の案件が増加してきています。

 入社して間もない頃は建築に対する知識に乏しく、目の前の業務をこなすだけでいっぱいいっぱいな私でしたが、仕事に慣れていくにつれて、私たちが普段何気なく過ごしている建物には、至る所に設計者の気配り・思いやりが隠れていることに気が付きました。周囲に調和した外観、過ごしやすい環境の形成、バリアフリーへの配慮など、建築物には過去の歴史から地続きになった人々の知恵・工夫が沢山詰まっています。仕事を通じてそれらを学べることが最近の楽しみです。昨年、私が設計業務に関わっていたスーパーマーケットが竣工しました。自分の設計した建物を沢山の人々が利用している光景を眺めることは、建築設計の仕事でしか味わえない喜びです。

 

卒業生の声

㈱NTTファシリティーズ中央
清水 大輔さん

 建築設計事務所の主な仕事は、お客様の要望をもとに建物や設備の設計を行い、設計図の通りに施工されているか監理することです。しかし、建設から取り壊しまで建物の一生を考えると、建設時よりも建物が完成した後の方がコスト増やエネルギー消費、環境負荷などの占める割合が大きいです。以上を踏まえ、建設後の建物の在り方について改めて考えることは、私たち若者に与えられた使命と言えるのではないでしょうか。
 私たちの会社では学部・学科の枠組みに囚われず、幅広い専門領域の方々とコミュニケーションを取りながら、通信施設の構築や保守・維持管理を通して社会へ貢献しています。関東・甲信越エリアを中心に、過去から継承される技術を活かしたお客様の暮らしのサポートに加え、更なる組織間の連携によって建物管理データベースの構築や街づくりなど新規事業への領域拡大を図っています。
 大学生だった当時を振り返ると、もともと私は建築志望ではありませんでしたが、都市システム工学科/専攻で土木と建築の垣根を超えた教育を通して、勉強への取り組む姿勢、計画を立てて課題を終わらせるスケジュール力、他人との意思疎通など社会人として土台となる力を養い、今では全国約7,600名のグループ会社の一員として設計者の立場でお仕事させていただいています。専門分野の学習はもちろん大切ですが、学位論文の執筆など自分の考えを文章でまとめ、他人に理解してもらえるように構成を考える力は現在仕事をする上で特に役立っていると実感しています。
 受験生へのメッセージとして先輩からのアドバイスです。美しい建築は、美しい設計プロセスがなければ出来上がりません。学生の間に挑戦と失敗を繰り返して、ぜひ、いい建築士になってください。

卒業生の声

茨城県庁
森野 裕貴さん

 私は「自分や親しい人達が生まれ育った茨城県のために、これまで大学などで学んだ知識や経験を生かす仕事がしたい」という思いから、茨城県職員採用試験を受け、平成27年度より“土木職”として働き始めました。 茨城県庁では、3~5年周期で人事異動があります。私の初めての配属先は、県の出先機関である「土浦土木事務所つくば支所」でTX沿線の土地区画整理事業(まちづくり)を行う土木事務所でした。そこでは、主に設計委託や工事の発注・監督を担当し、設計コンサルタント会社や建設会社の方と、打合せや確認等を行いながら、現場(まち)を作り上げていく仕事を担当していました。県職員は、計画をつくる段階から、測量や設計、実際の工事現場の施工管理・検査、更には完成後の維持管理まで、現場の全てに携わることができます。私は、自分が計画や設計に携わった現場が、日々変化しながら、設計図通りの形に仕上がっていくところに、やりがいや魅力を感じながら業務を行っていました。
 入庁3年後には、県庁舎内にある「土木部検査指導課」という部署に異動となりました。現在は、主に公共工事で使用する材料(砕石や生コンクリート等)の品質確認や、新技術の活用を促進するための基準策定、データベースの構築等の仕事を担当しています。現場の仕事とは違い、主にデスクワークがメインとなってきますが、他の部署や関係団体と多くの打合せを重ねて仕事を進めていきます。業務にあたっては、専門知識はもちろんのことですが、コミュニケーション能力やプレゼン能力、資料作成能力等が非常に重要であると感じています。私自身も日々勉強しながら、業務を行っているところです。最近では、コロナ禍の影響もあり、在宅勤務(テレワーク)も可能となり、それぞれの担当の働き方に合わせた効率的な業務の進め方ができるようになりました。
 現在、私自身が日々の業務にやりがいを感じながら仕事ができているのも、大学在学中に“幅広く柔軟な考え方”を持つ大切さについて、学び・気づくことが出来たからだと思っています。

卒業生の声

宮城大学
准教授
石内 鉄平さん

 大学教員に対する仕事のイメージとして、一般的に”講義(授業)”と”研究”を連想される方が多いのではないかと推察されますが、業務内容は「教育」、「研究」、「地域・社会貢献」、「大学運営に関する学内業務」の4つに大別されます。
 「教育業務」とは専門としている講義(授業)のほか、卒業論文や修士・博士論文の指導を指します。「研究業務」とは、前述の科目としての研究指導と重複するところもありますが主に自らが行う研究活動、学会等への論文投稿や研究成果の発表、外部資金の獲得などが挙げられます。また、教員の専門分野によっても多少異なりますが私が行っている「地域・社会貢献活動」として、役所(行政機関)が設置する委員会や審議会、審査会における有識者(学識経験者)としての助言や議論、学会等が設置する委員会や幹事会に所属し、学術的な知識や知見の集積、高度な技術の発展・運用に向けた議論、講演会の企画や運営、査読論文の審査などに携わっています。 最後に「大学運営に関する学内業務」についてです。実は大学内には多くの委員会が存在しており、曜日によっては会議三昧の日も珍しくありません。教務委員会や学生委員会を例に挙げると、事務職員の方々と協力し合いながら成績や単位認定・進級判定、履修状況の把握と指導、休学・復学・退学する際や成績不振・講義欠席過多の学生との面談、大学入試に関わる業務・・・などなど仕事内容は多岐にわたります。
 多くの大学教員は、上記4つに大別された業務バランスに苦慮しているのが現状であると思われます。全てが大切な仕事であり、どれもおろそかに扱うことはできません。しかし、今一度大学教員としての原点を見つめ仕事の仕方や時間の使い方を工夫することで、高い水準の教育と学生とともに挑戦し達成の喜びを分かち合うことができる研究活動を目指して、一日一日を精一杯過ごすことが大切だと考えています。